金属裏装ポンティックの光と影
ポンティックの点数(技術料)は428点であるが、平成20年4月改正で金属裏装ポンティックについては所定点数に320点を加算することとなった。
この金属裏装ポンティックとは、
(1) 臼歯部におけるポンティック(ダミー)にレジン歯を使用することは認められないが、咬合面を金属で製作し、他の部分にレジン前装を施した場合に所定点数を算定する。(この通知は平成18年以前の改正から変わらない)
を指すのだろう。
金属裏装ポンティックは現在、前歯と小臼歯において認められており、主として審美性を目的としたものであろう。実際に作製する場合には元々、咬合面を金属で鋳造して他の部分にレジン歯をつける方法を良い、従って以前から金属裏装ポンティックの作製時にはレジン歯の人工歯料を算定できる取り決めとなっている。
平成20年4月の点数改正で、どういう理由かはわからないが金属裏装ポンティックの作製において320点の加算点数が設定されたようだ。そもそも保険点数における金パラの使用想定量は、比較可能な小臼歯部のポンティックにおいて、鋳造ポンティックは約3.047gであるのに対して金属裏装ポンティックは約2.076gと約0.97g(平成21年3月時点で約68点)少ない。
従って点数的に言えば、平成20年3月以前は鋳造ポンティックの点数の方が優位であったが、現在では320点の加算点数により圧倒的に金属裏装ポンティックの方が優位となっている。従って、点数改正伝達講習会でも指導されたように臼歯部のポンティックは金属裏装ポンティックで請求している歯科医院が多いだろう。
しかし、例えば④56⑦のBrを作製する場合、通常5と6のポンティックの設計は同じとなるのが通例だと思う。しかし、点数算定においては5は金属裏装ポンティック、6は鋳造ポンティックという奇妙な状態になってしまう。
さて、話しは変わるが平成20年4月の点数改正で、点数本体は+0.42%(金パラは614円から702円へ。その後10月改正で808円へ)と決定した。
# 平成20年4~9月の歯科医療費は1兆2483億円、平成19年4~9月の歯科医療費は1兆2073億円なので前年同期比+3.39%。
しかし、上記のデータを見てもわかるように、4~9月の点数は前年同期比+3.39%と+0.42%を大きく上回っている。これに対しては報道でも取り上げられているが、それに対して、歯科医師会などでは「この上昇要因には金パラの価格改定の影響が大きい」と分析しているようだが、はたしてそうなのか?
DscyOfficeのモデル計算では、平成13年~20年の8年間の保険診療報酬に占める金パラの材料価格の平均は3.37%である。ちなみにこの数字は、平成16年の2.28%から平成13年の4.65%まで大きな幅が見られる。これは金パラの保険点数が低い年は低くなるのに加えて、年度によってブリッジなどの治療頻度が異なることにも影響していると思われるが、治療頻度の数字は持ち合わせていないのでこのまま使用する。このように、保険診療における金パラの材料費割合は約3.37%であることを前提として、平成20年4月の保険点数改定における金パラの改定をみると「614円→702円」と+14.3%の改定であるから、保険医療総額に与える影響は+0.48%となる。
なお、これまたDscyOfficeの試算であるが、金属裏装ポンテック導入の影響は+0.6%くらいと思われる。
しかし、何が原因であろうが、+3.39%は事実であるし、それを引き下げようとする動きが端々に見受けられる。1月に出た疑義解釈7の歯管の算定基準などもそうだろう。昨年4月の時点では歯管の算定は「FD」以外のほとんどの症例で算定可能であったが、疑義解釈7ではPDだけの病名では算定不可となった。
世の中の動きには必ず揺り戻しがつきものである。
平成22年4月の点数改正ではどのような揺り戻しがあるか?
(1) 歯管の算定基準と紙だし
(2) 歯周基本治療の再算定
(3) 金属裏装ポンティック
(4) 補管
(5) その他
とにかく、現時点で前年同期比で伸びすぎていると言われている歯科診療費の圧縮の動きが懸念される。
ちなみに私見であるが、(3)が一番対処しやすい項目ではないかと思う。今回加算点数が設定されたのにはそれなりの理由があるのだろうから、来年の改正で改正点数の廃止は考えられないが、通知に「点数の算定基準」の一文を加えれば済むだけなのだから。
ちなみに、この加算点数の影響は約1%に匹敵するのではないかと思う > 単なる概算だが。
金属裏装ポンティックがこのまま光として輝き続けるのか?それとも影となるのか???


コメントする