歯科診療レセプトのオンライン(電子)請求のBlogです

診療報酬のオンライン請求の義務化に関する質問主意書

2009年3月25日 07:42

診療報酬のオンライン請求の義務化に関する質問主意書(第四六号)

平成十九年十一月一日: 参議院


★ 診療報酬のオンライン請求の義務化に関する質問主意書

 我が国の地域医療の多くは小規模な医療機関が支えている。その中で手書きレセプトにより対応している医療機関は一万九千施設あり、その六割以上が月間レセプト二百枚以下であるとの報告もある。医療の適切なIT化は促進されるべきだが、地域医療の現状を踏まえず、環境整備をなおざりにしたまま、診療報酬のオンライン請求を性急に進めることは、医療現場に混乱を引き起こし、医療の安全確保や良質な医療の提供にも大きな影響を与えかねない。
 オンライン請求の完全義務化により、小規模な医療機関にはコンピューターの導入や操作、ネットワーク回線の利用など多くの投資と事務の増大が求められ、保険診療を継続できなくなる医療機関が生じ、地域医療体制が揺らぎかねないことが懸念される。
 このような観点から、以下質問する。

一 診療報酬のオンライン請求の義務化の対象となる病院、診療所、薬局の数及び療養の給付費額について、政府の把握状況を示されたい。

二 平成二十三年度から診療報酬のオンライン請求が義務化される病院又は診療所のうち、レセプトコンピューターを使用していないものの数及び療養の給付費額について、政府の把握状況を示されたい。

三 医師法第十九条が「診療に従事する医師は、診察治療の求があつた場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない」と規定する一方で、適正な診療報酬の請求に対して、オンライン請求をただ唯一の請求手段とし、従来の手書きレセプトによる診療報酬の請求を受け付けないことは、正当な請求権を認めず財産権の侵害に当たるのではないかとの指摘があるが、これに対する政府の見解を示されたい。

四 最高裁昭和五十年四月三十日大法廷判決(以下「判例」という。)に示されているように「財産権に対して加えられる規制が憲法二十九条二項にいう公共の福祉に適合するとして是認されるべきものであるかどうかは、規制の目的、必要性、内容、その規制によって制限される財産権の種類、性質及び制限の程度等を比較考量して決すべきもの」と思われるが、オンライン請求をただ唯一の診療報酬の請求手段と決する過程で、判例に即した比較考量はどのように行われたのか、政府の見解を示されたい。

五 オンライン請求の義務化を法律ではなく省令で規定することは、国民生活に大きくかかわる重要課題を国民の目に触れ難いところで決定しようとするものであり、「立法府は公共の福祉に適合する限り財産権に規制を加えることができる」との判例に反するとの指摘があるが、これに対する政府の見解を示されたい。

六 オンライン請求の完全義務化により、保険診療を継続できなくなる医療機関が生じ、国民が安心できる地域医療体制が根本的に揺るぎかねないとの指摘があるが、これに対する政府の見解と対応策を具体的に示されたい。

  右質問する。

診療報酬のオンライン請求の義務化に関する質問に対する答弁書

一について
保険医療機関及び保険薬局(以下「保険医療機関等」という。)が行う電子情報処理組織の使用による診療報酬等の請求一以下「オンライン請求」という。)の義務化は、すべての保険医療機関等が対象となるものであるところ、平成十九年三月に診療報酬等の請求を行った病院の総数は八千九百九十四施設、診療所の総数は十五万百二十四施設、薬局の総数は四万七千四百七十三薬局である。また、お尋ねの療養の給付費額については把握していないが、平成十八年度における療養の給付費額を含む医療費の見込み総額は約三十二・四兆円である。

二について
平成十九年五月診療分について杜会保険診療報酬支払基金において集計した結果によれば、レセプトコンピュータを使用せずに請求している病院の数は百二十六施設、診療所の数は二万九千六百四十二施設である。また、お尋ねの療養の給付費額については把握していない。

三から五までについて
健康保険法(大正十一年法律第七十号一上、保険医療機関等が療養の給付等に係る診療報酬等の請求を行う場合には、療凄の給付、老人医療及び公費負担医療に関する費用の請求に関する省令一昭和五十一年厚生省令第三十六号。以下「請求省令」という。)で定める手続に従って行う義務があり、オンライン請求の義務化は、その手続の一態様を定めるものであることから、これが財産権の侵害に該当するものとは考えていない。

六について
オンライン請求の義務化に当たっては、(1)オンライン請求の義務化に係る請求省令の改正規定の施行までの間に十分な準備期間を設けていること、(2)レセプトコンピュータを使用していない小規模な保険医療機関等においては、オンライン請求を行うためには一定の期間を要すると見込まれることから、オンライン請求の義務化後においても一定の猶予期間を設けていること、(3)事務代行者を介してのオンライン請求を認めていること等から、すべての保険医療機関等がオンライン請求の義務化に対応することは十分に可能であると考えており、御指摘は当たらないものと考える。

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